ストリングスアレンジ・ブラスアレンジができて一人前

オーケストラ・ストリングス

ストリングスアレンジやブラスアレンジができると作曲家・編曲家として一人前になれると言われています。

ストリングスやブラスはクラシックから使われ、ジャズやジャズから発展したシャンソンなどの初期の大衆音楽の時代からアレンジに取り入れられています。

最近のポピュラーソング(Jpopなど)はロックなどのバンドアレンジが多いですが、大衆音楽の原型はストリングスアレンジとブラスアレンジから始まったと言えるでしょう。

ストリングスアレンジやブラスアレンジはクラシックのオーケストラから大衆音楽に取り入れられたので多少知識が必要です。

必ずしも本格的なオーケストラの作り方を学ぶ必要はないですが、ロックなどと比べて技術の蓄積が多いので良いアレンジの仕方、悪いアレンジの仕方の知識が多くあります

なのでアレンジャーはストリンスアレンジ・ブラスアレンジができて一人前と言われるようになっています。

ストリングスアレンジだけ別の人がやってることもある

曲のクレジットを見てみるとたまに作詞、作曲、編曲の次にストリングスアレンジと書かれていることがあります。

ストリングスアレンジは多少高度な技術なので、作編曲者が別の方にストリングスだけアレンジを依頼することがあります。

大抵の場合ストリングスアレンジをした方は音大出身で作曲やオーケストレーションを学んだ方であることがほとんどです。

そのような方に依頼することできれいなハーモニーで組まれたストリングスアレンジをしてもらえるので外注します。

ストリングスアレンジやブラスアレンジはとても需要がある

ジャズから発展した大衆音楽の時代から使われているアレンジなので、ストリングスやブラスが入っている曲は多いですし、今でも増え続けています。

最近のポピュラーミュージックでもギター中心のロックアレンジでもストリングスが入っていることなど当たり前のようになっています

それ以外にもスカ、ファンク、映画音楽、シンフォニックメタル、アニメソングなどストリングスアレンジ・ブラスアレンジが使われている曲は大量にあります。

ストリングスアレンジ・ブラスアレンジの勉強の仕方

一般的なアレンジの本で学ぶ【おすすめ度:★★☆☆☆】

実践 アレンジ・テクニック (デジタル世代の音楽教本)

編曲、アレンジという名前がついたタイトルの本はいくつも出ています。ですがストリングスアレンジやブラスアレンジについての解説はないか、とても少ないページでしか解説されていないものがほとんどです。

ほとんどの本はポップス、ロック、テクノなどのジャンルでギターやドラムの使い方、打ち込みの仕方についての解説ばかりです。

もしファンクやディスコなどのページでストリングスやブラスについての解説があったとしても数ページしか扱われてないし、使えるジャンルの幅も狭いです。

ただし解説はとても簡単なものが多いので、初心者の方で少しでも得られるものが欲しい方なら向いているかもしれません。

ジャズ向けアレンジの本で学ぶ【おすすめ度:★★★☆☆】

ドン・セベスキー コンテポラリー・アレンジャー 【CD付】

ジャズアレンジの本にはブラスやストリングスのアレンジまで解説していることが多いです。

ほとんどの本は本格的な楽譜を使って、実際のジャズの名曲を分析しながら解説しています。

ジャズ向けのアレンジの本なので特にトランペット、トロンボーンなどのブラスやサックスの使い方については役に立つと思います。

ストリングスについての解説があるかどうか確認をしてから買ってください。

オーケストレーション(管弦楽法)で学ぶ【おすすめ度:★☆☆☆☆】

管弦楽法

オーケストレーションとはオーケストラ曲を作ることです。日本語では管弦楽法と呼ばれています。

オーケストラの曲を使ってオーケストラで使われている技術を学びます。

大抵の本はバイオリン、トランペットなどのオーケストラに使われる楽器についての解説である「楽器法」と、実際にどのように音をつけていくかについての「編曲法」について解説しています。

実際にオーケストラ曲で使われている技術を学べるので多彩なアレンジができるようになるでしょう

しかし管弦楽法の本は分厚く音楽知識が必要な難しい解説文で、全ての楽器が一列に並んだフルスコア(総譜)を読まなければいけないなどかなり大変です。ポップスのストリングスアレンジ・ブラスアレンジのために勉強するにはあまり向いていません。

DTMでオーケストラを作る本【おすすめ度:★★★☆☆】

3つのケーススタディでよくわかるオーケストレーション技法 トランスクライビングからアレンジまで

DTMでオーケストラを作る解説をする本もあります。

ピアノロールやMIDIファイル、やさしい楽譜などで解説しているものもあり初心者の方でも勉強しやすくなっています

オーケストラ向けの本ですがストリングスアレンジ・ブラスアレンジを学ぶにも役に立ちます。

ブラス・ストリングスアレンジの本【おすすめ度:★★★★★】

ブラス&ストリングス・アレンジ自由自在 完全版

ブラスアレンジ・ストリングスアレンジ専門の本は今のところ1冊しかありません。『ブラス&ストリングス・アレンジ自由自在 完全版(松浦 あゆみ 著)』だけです。

しかも最近まで絶版に近い状態でしたので紹介することができなかったのですが、電子書籍版が出ましたので紹介できるようになりました。

本来ブラスアレンジやストリングスアレンジはオーケストラやジャズを勉強した方がするような技術でした。なので昔はブラスアレンジ・ストリングスアレンジの本はなく、管弦楽法の本やジャズアレンジの本で学んでいました。

今は当たり前のようにストリングスアレンジ・ブラスアレンジが使われているので、もう少ししたらストリングスアレンジ・ブラスアレンジの本も増えるだろうと思います。

『ブラス&ストリングス・アレンジ自由自在 完全版』唯一のブラス・ストリングスアレンジ本

ブラス&ストリングス・アレンジ自由自在 完全版

この本はDTMをしている方であまり弦楽器、金管楽器について馴染みがない方に向けてブラスアレンジやストリングスアレンジの方法を書いた本です。

簡単な楽譜とCDROMの音声でわかりやすく解説しています。

バイオリンなどの各楽器の解説や演奏方法(アーティキュレーション)、実際の音の積み方などストリングスアレンジ・ブラスアレンジについて必要な技術を勉強できます

ただしこの本は最近改定されたとはいえ初版が90年代の本なので打ち込みについての解説は少し古いものがあります。例えばこの本の初版が出た頃はまだViennaやHollywood Stringsなどという音源がなかった時代です。

しかし音源の使い方は音源の説明書や解説動画などを見て覚えれば問題ありません。


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