かつて人気だったDAWが没落するまでの流れ

Sonar

Sonarの画面

CakewalkというMIDIシーケンサーから発展したSonarはかつてとても人気があるDAWでした。Cakewalkから発展したDAWだけあってMIDI編集機能に定評があったDAWでした。

2000年代前半ではDAWといえばSonarはCubaseで人気を二分しており、Sonarのほうが少し上回るくらいでした。当時SonarはRolandが日本での販売を担当していました。Steinberg社のCubaseはYAMAHAが販売を担当していたのでRoland VS YAMAHAの代理戦争のような状態でした。

Rolandは最も定番のMIDI音源だったSCシリーズを作り、付属のMIDIシーケンサーにCakewalkを採用していました。なのでSCシリーズを使っていた方はDAWに移行するとなると自然とSonarを選択し、2番人気のYAMAHA XGシリーズを使っていた人はYAMAHAが販売を担当するCubaseに移行するという流れになっていました。なのでSonarはもっとも人気のDAWだったのです

しかしSonarはとても動作が不安定でした。そもそもDAWはPCのスペックを必要とするので、PCが今ほどスペックが高くなかった時代にはDAWはとてもパソコンが落ちやすいソフトでした。マシンパワーが高くなるにつれてDAWの動作は比較的安定してきますが、Sonarは他のDAWと比べて落ちやすいままでした。

2000年代後半になると「Sonarは落ちやすい」という評判が広まり、少しずつ人気が下がっていきます。2008年頃にはCubaseのほうが人気が上回ることが多くなりました。

2010年代になっても動作の不安定さが解消されず、FL StudioやStudio Oneという動作が安定している新興DAWのヒット製品がでて、Sonarがそれらの新興DAWより人気が下回ることとなると評判はますます落ちてしまいました。

また、2013年からCakewalk社はGibsonが買収し開発が移され、Rolandが担当だった販売もGIbson傘下のTEACとなるなどゴタゴタが見えるようになります。

そしてついにGibsonは2017年にSonarの開発の終了を宣言してしまいました。Gibsonは以前にもVisonというDAWを買収後にすぐ開発終了していたので批判されました。ですがすぐにBandLabという会社に開発を移され無料化することになります。

高機能なDAWが無料で使えることになるのでそれはそれでいいのですが、だからといってSonarの使用者はそれほど増えておらず、Sonarの不安定さを知っている人たちから「無料でも使わない」と言われてしまっています。

Acid

Acidパッケージ

ACIDはサンプリング素材を並べて作ることがメインのDAWです。

ACIDはサンプリング素材の音の長さを変えずに音程だけを変えられる機能をはじめて搭載したDAWでした。普通メロディやコードをリズムに合わせて演奏した音素材の音程を変えると音の長さが変わってしまいます。例えば1小節の音素材のピッチを下げると音が長くなるので1小節からはみ出てしまいます。

ACIDでは音の長さを変えずに音程だけ変えられるので同じ音素材をピッチだけを変えて使えるようになりました。例えばギターでCコードのアルペジオをそのままGコードに変えて曲に使えるようになりました。それは当時画期的なことでした。

当時はループミュージック全盛期でしたし新しい曲づくりが可能となったのですぐに評判になりました。

ですが、その機能はCubaseをはじめ他のDAWにも取り入れられるようになり、すぐにどのDAWにも当たり前についている機能となりました。

そうするとACIDはもともとのMIDI編集機能やオーディオ機能の弱さからすぐに使われなくなり人気が没落してしまいました。

Vison

MIDIシーケンサーから最も早くオーディオ機能を対応したDAWの先駆け的な存在でした。

しかしCubaseによるVSTの開発、他DAWも同様の機能への開発やVSTへの対応などしていく中、新しい機能への対応が遅れ時代遅れなDAWとなってしまいました。

Digital Performer

Digital performer画面

MIDI編集機能の高さから人気のあるDAWでしたが、全体的な新機能対応への遅れやかたくなにWindows版を出さなかったことにより人気が下がりました。

Singer Song Writer

MIDIシーケンサー時代はとても人気がある日本製の作曲ソフト・DAWでした

鼻歌を歌うとメロディが打ち込まれる鼻歌作曲機能や自動伴奏機能など他にはない機能がついており人気がありました。ですがDAW的な機能(オーディオを扱う機能やVSTの利用)への対応が遅れMIDIのみで作っていた人には使われ続けていたものの、時代の流れに乗り遅れ人気が下がりました。

今後DAWはどうなるか

現在はAbleton Live、Studio One、FL Studio、Cubase、Pro Toolsあたりが人気のDAWです。この中で昔から存在するDAWではCubase、Pro Tools、Logicです。

Sonar、Digital Performerなどかつて人気だったDAWの数々が没落していきましたが、それらは上記の通り新機能への対応の遅れが原因のパターンがほとんどです。

Pro ToolsやCubaseなど新機能への対応の不備は多少残っているものの、かなり他DAWへ追従して取り入れていっています。それが現在でも人気の理由だと思われます。

それらのDAWはこれからも新機能への対応をしていかなければ人気が下がり、最悪開発終了となってしまう危険性はありえます。

とくにCubaseは以前からオートメーション機能の使い勝手の悪さが指摘されているものの対応のスピードがかなり遅いです。

Cubaseは日本では今でも1番人気ですが、海外では元Cubase開発者が作ったStudio Oneのほうが人気があります

アップデートを怠らず新機能への対応や使い勝手の改善をしていくことが鍵となるでしょう。

関連ページ

こちらのページも参考にしてください